身近な決済手段だけど実は謎が多い「現金」

使われている実態を把握しづらい現金

現金はシンプルで身近なものだ。決済手段としてとびぬけて古いものであり、ビットやバイトや謎めいた帳簿に頼らずに価値の移転をおこなえる点がユニークである。

現金は簡単で、匿名性が高く、即時性があり、それで完結するものである。

誰かがあなたに現金を渡すとき、その人物が十分な資金をもっていないというリスクはない。

また、現金は追跡不可能であり、手に入れたお金をすぐに別の取引に再利用することができ、譲渡するのに仲介者や弁護士を必要としない。当然のことながら、現金は犯罪者たちに長らく重宝されてきた。

それは裏社会に限った話ではない。現金はいまでも、取引件数ベースで、世界でもっとも広く使われている決済手段である。

現金のことならよくわかっている、と思ってしまうのも無理はない。

しかし、その考えは改めるべきだ。現金がどのように使われているのか、その大部分は謎に包まれている。

2020年半ば、イギリスの会計検査院は、実に500億ポンドに相当するイギリスの紙幣が使途不明になっていると明らかにした。どれだけの数の現金取引がおこなわれているのか、どれほどの額が取引されているのか、まったくわからないのだ。

ATMや銀行から引き出される金額は(だいたいは)わかるが、そこで道は途絶えてしまう。その先を知りたければ、調査から推測するしかない。

なぜか? それは、ATMから引き出した20ドル札は、1回の支払いで使うこともできるし、1ドルの支払い20回に使うこともできるからだ。そして受け取り手(たち)はその20ドル札を銀行システムに戻すこともできるし、使うこともできる。

いずれにせよ、このような調査が説明できるのは物語の一部だけだ。というのも、現金通貨のほとんどは、実際には市場を流通してはいないからだ。

米ドル札の80%は百ドル札

現金の多くは、百ドル札や二百ユーロ札、五百ユーロ札のように、ATMで流通することがめったにないような紙幣なのである。

現金をめぐる謎のひとつは、その大部分が、一般市民が使うことも目にすることもほとんどないような高額紙幣で構成されているということだ。

五百ユーロ札には「ビン・ ラディン」という呼び名さえついていた。その存在と姿形は皆が知っているものの、どこでお目にかかれるかは誰も知らなかったからである。

百ドル札は、流通しているすべての米ドル札1兆8000億ドル分のうちの80%を占めている。

つまり、1ドル札ないし「バック」(雄鹿)に描かれているジョージ・ワシントンは、同じく建国の父であり、百ドル札に描かれているベンジャミン・フランクリンに惨敗していることになる。

これを成人人口および流通しているとわかっている紙幣の数と額面で分けて考えると、成人のアメリカ人1人につき、十ドル札はわずか7枚しかないが、百ドル札は55枚あるという計算になる。この分布は泥棒にずいぶんな儲けをもたらすはずだが、平均的なアメリカのスリの経験とは食い違うだろう。

アメリカの消費者が財布に入れて持ち歩いている額は、平均して75ドルにすぎないと調査からわかっている。ATMや銀行やレジにねむっている現金を考慮に入れたとしても、消息がつかめるのは流通している総量のほんの一部にすぎない。

ここで疑問が生まれる──お金はどこに行ったのか?

米ドルの場合、大半が「休暇中」である。すべてのドルの約60%、すべての百ドル札の75%が国外で保有されている。アメリカの歴代の政権は、外国に「オンデマンド」で通貨を提供する政策を支持してきた。

すなわち、人々が現地の銀行や両替屋でドルを買ったり引き出したりするのに応じて、現物のドル紙幣(おもに百ドル札)をその国々に送るのである。

海外にあるドル紙幣の割合は、1990年代には全体の流通量のほんの20%だったが、それ以降、着実に増加を続けている。アルゼンチンや旧ソ連圏諸国における国内通貨危機が大きな後押しとなり、1993年から2013年にかけて、アメリカはこれらの国々に対してだけで、年間約200億ドルも輸送した。

有名な話だが、アメリカはイラクにも軍用機でおよそ120億ドル(ひょっとしたら400億ドルもの額)を運び、政府の再開や基本的な公共サービスの復旧のための資金にあてた。物理的な規模で言えば、十億ドルを百ドル札で用意すると、パレット〔フォークリフト用の荷台〕10台が満杯になるほどの量である。

ドルには遠く及ばないものの、ユーロは海外流通量の多いもう一つの主要通貨である。

ユーロ紙幣も3分の1は海外

ユーロについての詳細なデータや研究は少ないが、発行された五百ユーロ札の70%をかつて流通させていたドイツ連邦銀行は、その3分の2が海外に流出していると推定していた。ドイツで印刷された紙幣の多くは南欧に行き着いていたかもしれない。南欧では、ドイツのXマークではじまるシリアルナンバーをもつユーロ紙幣が(たとえば、ギリシャ発行のYではじまるシリアルナンバーの紙幣よりも)信頼されているからだ。

ユーロ紙幣の3分の1は、ユーロ圏外、とくにロシアやバルカン諸国で流通していると考えられている。

外国での使用はたしかに重要だが、それは現金の所在に関する疑問の一部にしか答えていない。それも米ドルとユーロについてだけである。

しかも、調査結果からは、ほとんどの現金通貨に関して、その5~10%しか所在がわからない。残りのゆくえは闇の中である──中央銀行は、入ってくる紙幣をすべてチェックし、使い古されたものを交換する必要があるという事実がなければ。

この作業から、紙幣の使用状況についての有益な情報が得られる。アメリカ通貨教育プログラムによると、一ドル札の推定寿命はわずか5年強、他方で百ドル札は約15年だという。高額紙幣は小額紙幣よりも使用頻度が少ないが、金庫の中やマットレスの下で一生を過ごしているとも考えにくい。むしろ、高額紙幣は地下経済で流通しており、連邦準備銀行に出入りする機会が小額のお仲間よりも少ないというだけのことであろう。

(情報元:百ドル札の75%が米国に存在しない意外な理由 身近な決済手段だけど実は謎が多い「現金」 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)

現金は便利で身近な決済手段ですが、その使用実態は謎に包まれていることを示した記事です。興味深いものですね。

現金はシンプルで匿名性が高く、即時性があり、取引に仲介者や弁護士を必要しないことから犯罪者からも重用されてきました。

イギリスの会計検査院によると、500億ポンドに相当するイギリスの紙幣が使途不明になっているとのこと

。この事実からも分かる通り実際にどれだけの現金取引が行われ、どれほどの額が取引されているのかわからないようです。電子決済だったら確実に履歴が残りますもんね。脱税もしずらい点も国がデジタル化を進めようとする大きな理由の一つと言えます。

さらに、驚くべきことにアメリカにおいて現金の大部分は一般市民が使うことも目にすることも少ない高額紙幣で構成されているとのこと。

たとえば、米ドルの80%は百ドル札であり、一ドル札と比べると非常に多くの量が存在。一人あたりの所持金を考えると、成人のアメリカ人1人につき十ドル札はわずか7枚しかない一方、百ドル札は55枚も存在している計算になるようです。

自分たちもクレカや電子決済と合わせて違和感なく現金を利用していますが、これだけ歴史がある現金も謎に包まれているというのが面白いですね。

 

資産形成を考えると未だに現金化の需要は高いようです。
特に2023年の物価高・エネルギー高もあり、家計や個人も皆苦しんでる印象ですし、急な出費など対応できる現金化の方法をあらかじめ理解しておくというのも重要と言えます。

急な出費に対応する現金化の手段としてクレジットカードのショッピング枠を利用する方法があります。

クレカの現金化自体は当然違法ではありませんし、現金を得るにおいて有用な手段として根強い支持があるのも事実です。

クレカ現金化においては信頼のできる金券ショップなど、実績があるお店をきちんと選ぶことが大きなポイントと言えるでしょう。

特に大阪など関西は電子ギフト等の取扱において法律に反しない範疇で営業している金券ショップも多く存在します。

クレジットカード現金化について詳しくは当方サイトでもまとめてますのでよければご覧ください。

クレカ現金化は合法か|クレジットカード現金化口コミ案内所

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土日も営業しているクレカ現金化店|大阪のクレカ現金化店案内所(公式版) (anshinmarufuku.com)

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