政府が１３日に児童手当の拡充などの「こども未来戦略方針」を決定したのは、従来の対策では少子化傾向を反転させられないとの危機感がある。
約３０年間、歴代政権が対策に取り組んできたが、保育サービスの充実など「現物給付」中心で、「現金給付」は欧米諸国に比べて見劣りしてきた。岸田文雄首相が「ラストチャンス」という今後６～７年で、出生率向上につなげられるか、結果が問われることになる。
政府が初めて本格的な少子化対策に取り組んだのは平成６年の「エンゼルプラン」だ。戦前の「産めよ殖やせよ」政策への反省から出産奨励はタブー視されていたが、元年に合計特殊出生率（女性１人が生涯に産む子供の推定人数）が戦後最低となった「１・５７ショック」を契機に、保育所整備などに乗り出した。
１９年には、仕事と育児の両立などを盛り込んだ「子どもと家族を応援する日本重点戦略」を決定。同年、閣僚ポストとして少子化担当相が新設された。
人口１億人を維持するため、２８年に策定されたのが「ニッポン１億総活躍プラン」だ。
働き方改革の推進や若者の雇用環境改善を通じて、令和７年度に希望出生率１・８を実現すると明記した。
一連の少子化対策によって改善が図られてきたのが待機児童問題だ。
厚生労働省によると、希望しても認可保育所などに入れない待機児童は昨年４月時点で約３千人で、ピークだった平成２９年の約２万６千人から９割減となった。
ただ、昨年の出生率は１・２６で過去最低を記録するなど人口減少に歯止めがかかる気配はない。
政府内では現金給付の乏しさが少子化の一因との見方もあり、こども未来戦略方針の目玉として児童手当の所得制限撤廃や多子世帯への加算などを打ち出した。
閣僚経験者は「今後は現金・現物給付を両にらみで充実させていく必要がある」と強調する。
そこで、欧米諸国に倣って「現金給付」も増やすことで、子育て世帯の負担を軽減し、出産意欲を高める狙いがあります。
この政策は一定評価できると思います。
また、子供の数に応じて現金給付は、増えるため多子化を促すインセンティブにもなります。
しかし、それだけでは不十分だとも思います。出産や子育てに関する社会的な支援や理解も必要です。
個人としてはやはり、急な出費など対応できる現金化の方法をあらかじめ理解しておくというのも重要と言えます。
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