あっせん・口利きを行うならば
去る7月1日、かつて私・米山隆一が所属した日本維新の会の代表を務め、大阪府知事、大阪市長を歴任した「創設者」の2人、松井一郎氏と、橋下徹氏が、「松井橋下アソシエイツ」という会社を作った事を発表しHPが公開されました。
それによると、この会社の業務内容は、「省庁・役所などの行政機関へのアクセスサポート」とあります。
宣伝文句には、「ともに大阪府知事・大阪市長・国政政党代表を歴任してきた松井一郎・橋下徹と一線で実務を行ってきたプロフェッショナルを中心とするチームが、その経験・知識・人脈を活かして、貴社が必要とする行政組織、関係企業とのアクセス・調整をスムーズにし、貴社の事業を円滑に進めるサポートをいたします」と書かれていました。
要するに「あなたの会社がやりたい事に対応した行政組織に紹介してやるし、それでその行政組織が思い通りに動かなかったら動くように言ってやる」、良く言えばコンサルタント、悪く言えば、斡旋/口利きをしてやると言うことですが、この会社の、何が問題か、以下解説したいと思います。
まず最初に申し上げますが、この会社がコンサルタントではなく、斡旋/口利きを行うとして、それ自体を制限する法律はありません。
松井氏、橋下氏が現職の大阪府知事、大阪市長の時に、有償で斡旋行為
──いわゆる口利きをした場合は、 刑法第197条の4 (あっせん収賄) 公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。
であっせん収賄罪などが成立、処罰されます。
また首長ではなく、衆議院議員、参議院議員、地方議員であれば、 あっせん利得法第1条1項 (公職者あっせん利得) 衆議院議員、参議院議員又は地方公共団体の議会の議員若しくは長(以下「公職にある者」という。)が、国若しくは地方公共団体が締結する売買、貸借、請負その他の契約又は特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないようにあっせんをすること又はしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したときは、三年以下の懲役に処する。
により、あっせん利得罪が成立します。
親族と利益を得て配分
議員の秘書がこれを行った場合もやはりあっせん利得罪が成立します。
しかし両氏は現在公務員でなく、ましてや議員の秘書でもなく「政治家引退」を表明しています。
「元(特別職)公務員」で、元(特別職)公務員があっせん行為を行った場合、それを罰する法律は、現在の日本にはないからです。
それならば、何の問題もないかと言うと、私は「あり」だと思います。
先ず、最初に戻って、この会社のやる事が、コンサルタント業務か、所謂、斡旋/口利きかを精査してみましょう。
コンサルタント業務と言うのは、例えば行政からの補助事業を適正に申請する為の行政書士業務であったり、その事業内容自体を考える調査・提案を行ったりする事ですが、その様な業務を行っている民間の会社は、街の行政書士から外資系のコンサルタントファーム迄、多数あります。
確かに、元首長だという理由で、そのような業務を行うこと一般を禁ずることは、理屈が立たないようにも思えます。
しかし、私の短い新潟県知事経験から申しますと、行政トップの政治家として政策のコンセプトを打ち出し、政治的駆け引きを行いながら政策を実行していく事と、現場の担当職員が採用してくれるような補助金の申請書類を作成する事は全く異なります。
自分のやりたい政策の調査・立案をコンサルティング・ファームに依頼する事と、これを受託して直接の依頼者のみならず関係各方面を説得する材料となる調査・立案を実行し報告書を作成する事も、似ている様で全く異なります。
中にはその両方をできる人もいるのかもしれませんが、松井氏、橋下氏の首長在任時代の政治手法や、御退任後の発信を見る限り、両氏にこまごまとした事項をきちんと書き込んだ補助金申請書類を作成するスキルや、現存する論点を網羅的に列挙した上で論理的にそれに答えを出して関係各方面を説得する材料となる調査報告書を作成するノウハウがあるとは思えません。
また公開されている法人登記を見ても、代表取締役には松井氏と橋下氏の親族が就任しているとみられます。
専門的調査・立案を行う専門家集団の会社と言うより、松井氏・橋下氏の知名度を生かした斡旋/口利きビジネスを行い、親族で利益を得て配分する「ファミリービジネス」の感があります。
ここまでの不公平感があるか
その上で、松井橋下アソシエイツが、役所に対して、そう言った斡旋/口利き、場合によってはクライアントに対するコンサルティングを行った場合、役所はどのように対応する事になるでしょうか?
もちろんそれは、役所次第、担当者次第となるのでしょうが、現時点で維新が首長、議会の多数派を占めている大阪府、大阪市においては、仮にそれが純然たる斡旋/口利きだろうが、真っ当なコンサルティングであろうが、「あの松井さん、橋下さんがやれと言っている案件」=「維新案件(首長案件、与党維新案件)」と捉えられ、これを拒否する事は極めて困難になるでしょう。
つまり松井橋下アソシエイツは、その業務が純然たる斡旋/口利きであれば、自分が現職の時にやっていたら「あっせん収賄罪」、現職の維新の議員がやれば「あっせん利得罪」という刑事罰になる行為を、元首長、元代表としての現職の職員、現職の維新議員に対する影響力を利用して実行し、その対価を得ることも可能になるのです。
また仮にクライアントに対する全うなコンサルティングだとしても、不当な斡旋/口利きの疑いはぬぐえないし、松井・橋下アソシエイツを利用しない他の企業・会社から見た不公平感も払拭できないと私は思います。
たとえ現行法では罰せられない行為だとしても、行政を歪めることになりかねない 「脱法行為」とも感じます。
仮に大阪府庁、大阪市役所が極めて高潔で、松井橋下アソシエイツ案件を他の案件と全く平等に扱ったとしてもなお「李下に冠を正さず」的な意味で行政の公正性に対する疑念を生じてしまうのであり、全く望ましくない事だと、私は思います。
この脱法的ビジネスは、実は松井氏・橋下氏の「新たな発明」ではありません。
多少構図は異なりますが、霞が関の天下り官僚OBや天下り会社が営々と行ってきた、官僚OBの官庁に対する影響力を利用して行政から仕事を受注し、巨利を得る利権構造と、基本的には全く同じ仕組みなのです。 何のことはない、「既得権益の打破!」を謳って維新を創設し、共に長きにわたって代表・首長を歴任してきた松井一郎氏、橋下徹氏は、在任中はさておき、退任後はただちに、旧来の霞が関の既得権益構造を焼き直した「維新と言う名の既得権益」を現金化するような仕組みをやっているということなのです。
ドヤ顔のツーショット
そしてこの「維新と言う名の既得権益」を現金化するビジネスと評価されて仕方ないこの会社について、本来ならただちにこれを批判し、日本維新の会及び所属議員らの関与を否定すべきであろう、現職の馬場伸幸代表、吉村洋文共同代表を始めとする維新の議員たちは、誰一人この問題に一言も言及していないとみられます。
これでは、現在の維新の代表、共同代表、議員達も、結局の所「維新と言う名の既得権益」を構築し、政界を引退後はそれを利用する事を全く否定しておらず、何となれば自らもそこに参加して既得権益に預かるつもりなのではないかとの疑念を抱かざるを得ません。
この様な批判を知ってか知らずか、ドヤ顔のツーショット(画像)を誇らしげに掲げた松井橋下アソシエイツのHP。
松井氏は7月2日、13時12分に自身のツイッターアカウントで 《(スタッフよりお知らせ) 本日「株式会社松井橋下アソシエイツ」の公式ウェブサイトをオープンいたしました》とホームページへのリンクをつけて、ツイート。 しかし、現在は見当たらないので削除してしまったのか、同社ホームページは、私が確認できた範囲で7月7日以降、何の説明もないまま表示されなくなっています。 一方で、令和5年4月19日になされた登記は原稿執筆時点で変更がない模様で、批判を受けるHPの記載は止めたけれど、関係者だけに周知する形でビジネスは行っているのかもしれません。
松井橋下アソシエイツとすでに「顧問」だという会社がSNSでは話題になっています。
私は、このお二人には、今までの自らの言行に鑑み、この松井橋下アソシエイツの現状について説明する責任があると思います。 そして個人的見解ながら、もしお二人が、本当に行政に対する民間アクセスについての専門的知見を有しているのであれば、お二人に巨額の報酬を払った特定の利害関係者のみに利用させるのではなく、書籍なり論考なりを書き、多くの国民に公開して、せいぜい書籍代程度の費用負担で利用してもらうのがノブレス・オブリージュと言うもの。
お二人にその意思がなく、現行法上違法でないのだから、自分達が行政経験で蓄えた知見、自分達が作った「維新と言う名の既得権益」は、自由に現金化して骨の髄までしゃぶりつくす積りだというのであれば、今を生きる日本国民の代表たる現職の国会議員として、その様な脱法的行為を規制する立法を検討させて頂くと、申し上げたい。
松井一郎と橋下徹がつくった会社「松井橋下アソシエイツ」の何が問題か…すさまじい脱法ビジネスが見逃されているワケ/記事考察
この記事では、松井一郎氏と橋下徹氏が「松井橋下アソシエイツ」という会社を設立し、行政機関へのアクセスサポートを行うことを発表したことが取り上げられています。元新潟知事で現職国会議員の米山さんの寄稿ですね。
昔から橋下VS米山の構図はテレビでも報じられており、現職引退後の橋下さんへも意見を申す事が多い印象です。
米山さんによると、この会社の業務内容には問題があり、斡旋や口利きといった脱法的なビジネスの側面が見逃されていると指摘されています。
現行法において、この会社が斡旋や口利きを行うこと自体は制限されていないため、法的には問題がないかもしれません。
しかし、松井氏と橋下氏が過去に公務員として首長として活動していた時に同様の行為が行われた場合、あっせん収賄罪やあっせん利得罪に該当し、処罰される可能性があることも指摘されています。
また、この会社の業務が本当にコンサルタント業務なのか、それとも斡旋や口利きの側面が強いのか・・?
についても疑問が呈されています。
政治家としての経験を生かした政策のコンセプトや立案と、具体的な申請書類の作成や調査報告書の作成は異なるものであり、松井氏と橋下氏が後者のスキルやノウハウを持っているかどうかに疑念が持たれています。
さらに、松井橋下アソシエイツが行政機関やクライアントに対して斡旋や口利きを行った場合、それが「維新案件」と捉えられる可能性が高く、公正性に対する疑念や行政の歪みを引き起こす恐れがあります。
このような行為は脱法的であり、公平さへの不信感を生じさせることになります。
同時に、この問題について維新の会や所属議員が一切言及していないことにも批判が向けられています。
このことから、維新の会の現職議員たちも既得権益を構築し、政界を引退後にその利益を享受する意図があるのではないかと疑念が抱かれています。
最後に、もし松井氏と橋下氏が本当に行政に関する専門的な知見を持っているのであれば、その知識を広く国民に公開し、自身の利益だけでなく多くの人々が利用できるようにするべきだと述べられています。
また、現職の国会議員として、このような脱法的行為を規制する立法を検討する必要があると提案されています。
難しい問題でもあると思います。
2023年の物価高・エネルギー高もあり、家計や個人も皆苦しんでる印象です。
大阪に大きな影響を与えてきた二人であることに間違いありませんし、地域にとってポジティヴな影響力を行使して地域が潤えばいいのかな・・とはおもいますが、それも価値観ですしね・・。
信頼できるショップとのクレカ現金化も有用
急な出費に対応する現金化の手段としてクレジットカードのショッピング枠を利用する方法があります。
クレカの現金化自体は当然違法ではありませんし、現金を得るにおいて有用な手段として根強い支持があるのも事実です。
クレカ現金化においては信頼のできる金券ショップなど、実績があるお店をきちんと選ぶことが大きなポイントと言えるでしょう。
特に大阪など関西は電子ギフト等の取扱において法律に反しない範疇で営業している金券ショップも多く存在します。
クレジットカードの現金化について詳しくは当方サイトでもまとめてますのでよければご覧ください。
その他大阪で土日も営業しているクレカ現金化店や、来店不要での現金化ができるショップをまとめてますのでよろしければご覧ください。